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12 幸福 (章末) 【R15】

 とりあえず、金属探知で探して見る。やはり財産は無いか。武器に換えていたとしても反応はあるし、隠し財産なら、使うと足が付く小切手と言う形て保管されているとは考えづらい。宝石に換えられていたとしても、その基盤は金なり銀なり、何かしらの貴金属のはずだから、可能性は薄いだろう。

 しかし、この屋敷から金属類が全てなくなっていると言うのも変な話だ。

 と言う事は、この屋敷はもう既に捜索され尽くしているのだろうな。俺の使ったのと同系統の魔法で。それならこの冒険者はその事を知っているはずだ。

 しかし、この森の捜索の依頼はまだ出されていた筈だ。しかもやや割高で。そうか分かった。万が一まだ遺産が残っていた場合に、それを他の貴族に取られないようにか、又はそれが見つかったと言う事を隠すためのカムフラージュか、はたまたその両方か。まあどうでも良いか。

 すると、この冒険者一泡吹かせる為には、この魔法か。

Create.(クレメンタイン)
「それは?! まさか最上級の探査魔法?!」
「こっちだ。来いよおっさん」
「お、おう……」

 俺は、散々調べ尽くされたであろう宝物庫に、迷う事なく歩いていく。宝物庫の鍵を開けて(・・・・・・・・・)入る。

「探していたのはこれのことだろう?」

 部屋の中央にあったのは、短剣だった。男は恐る恐るそれを鑑定する。

「あ、《アナライズ》」

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Name: クリス
Class: 伝説
Auth. : 守護
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 男が知った結果はこんな感じだろうか。男はブルブル震え始めた。

「ナニモンだお(めぇ)

 “ナニモン”とは勘の良いことで。

「マシューは(ボク)のことを二つ首の化け物とか言ってたよ」

 男は目を見開いた。同時に、自分がここで死ぬことを悟ったようだった。

「……はあ、悪運は強い方だと思ってたのによォ……」

「悪いな、それは俺の専売特許だぜ」
「せんば……何だって?」
「お前が知る必要はない。せめて苦しまないように一撃で殺してやろう」


 イライラするなぁ。本調子じゃなかったとはいえこのボクを出し抜いた事にはただ敬意を抱く。


「お前はこれからもボクらの糧となり続けるだろう」

 マリアを探しに行かなければ。【千里眼】【時空ヨ我ヲ導ケ】


 性奴隷(こっち)のパターンだったか。

 身なりの良い男が、マリアと体を重ねていた。上の男を蹴飛ばして気絶させると、マリアがあられもない姿で、黒光りする首輪のみを付けていた。マリアは突然現れた俺の姿にどんな幻覚を見たのか、背を向けうずくまってガタガタ震えていた。背中の傷のほかに、大小様々な痣、ミミズ腫れもあって、痛々しかった。

「マリア」
「え……ビル君……なの? ……私、汚されちゃったよ。聖女様になって、純潔をアスティ様に捧げたかったのに……」

「もう大丈夫だからな。〈Reincarnation(リストレーション)〉」

 マリアの体が輝き始めた。背中の傷も、マリアの処女さえ復元していく。

「最上級治療魔法?! ありがとう、ビル君……! これで私も聖女さーー











































 ()はビルド君と出会った教会前で倒れていました。

 そうだ、ビルド君は亡くなったのでした。それにマリアも……。

「帰りましょう、私の孤児院に。帰らねばならないのです」

 私は、一ヶ月ぶりに子ども達と再会して、今までにないくらい暖かい気持ちになりました。

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