07
「お恥ずかしながらあまりモテないんですよ。
付き合っていた人は、何人か居たのですが勉強や仕事が忙しくて……気づいたらフラれてしまって。
やっと仕事も軌道に乗り余裕が出来るようになったら今度は、彼女なしです。
本当……お恥ずかしいです。今回思い切ってここに申し込んで良かった。
宮下さんみたいな素敵な女性に出会えたので」
えぇっ!?こんなイケメンなのに彼女が居ないなんて信じられない。しかも素敵だなんて……。
これって絶好のチャンスじゃないかしら?
私は、気合いが入る。だが表には見せないように微笑んで見せた。
「フフッ……お世辞がお上手ですね。
でも、その気持ち分かります。
私もお店を経営したばかりの時は、本当に忙しくて寝るのも削ったぐらいで。
軌道に乗せるのって、こんなに大変だと思いませんでした」
「あーそれ分かります!!
もう頭が仕事の事ばかりになって寝れなくなるんですよね。
気になって、気になって、もう何度か会社で泊まり込みですよ!」
「アハハッ……私もやった事があります」
安西さんとは、会社経営の話で盛り上がる。
会社が違えど経営者として苦労や部下達のことなど話が尽きない。
私達意外と価値観が合うかも知れない。
イケメンで、こんなに話が合う人なんて今まで会ったことがない。
これって……もしかしなくても運命かしら?
「あーこんなに女性と話が合う人なんて初めてですよ。
本当に今日来て良かった……俺達運命の赤い糸で結ばれているのかも知れませんね」
安西さんは。嬉しそうに微笑んできた。
う、運命の赤い糸ですって!?
なんてロマンチストなの……私と同じ事を考えているなんて。
イケメンで話が合って、ロマンチスト。
まるで夢にでも見ているかのように理想的なイケメンが目の前に居た。
「わ、私も同じことを考えていました」
これは、どう考えても神様のお導きよ!
間違いないわ。
「本当ですか!?なら、携帯番号を教えて頂けませんか?
今度また会う機会があれば……」