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第10話 わらわは♂これで魔王をやめました(1)

「死ねぇえええ~! 魔王~!」

「きゃぁあああ~。許してぇえええ~。勇者~。わらわが。わらわがぁあああ~。貴方がさがしている少女なの~。だから許してお願い~。殺さないで勇者~」

「えっ? うそ?」

「うそじゃない~。うそじゃない~。本当だもの~。だからお願い~。勇者~。わらわにお慈悲を~……」


〈ボン〉

 刹那──!

「「…………!?」」


 ん? あれ? 何? この煙は? 一樹が魔法弾を放ったのかな?


 いや、違う?


 勇者見習いの一樹は、麗しい魔王さまと、自分達の目の先で急に湧いた煙を凝視して呆気にとられて呆然としている。

 だから一体何が、二人の間に起きたのだ?


「一樹~! 頼むから~。もう、堪えてくれ~。これ以上儂の娘ルシファーに酷い事をしないでおくれ……。お願いだから一樹……」

 そう、二人の間を割るように急に湧いた変な煙と音……。



 と、言うか?


 アニメや洋画、ドラマの世界の中でのお決まりの効果音──。魔法使いの魔法使用時や、変身する時、解ける時に良く流れる効果音なのだが。

 それに良く似た効果音がいきなり鳴り──。煙がモクモクと湧くと──。

 そこからまさに、日本の昔話しのような出来事……。

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