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第9話 魔王と勇者見習い(23)

「お父さま、お父さま~。ルシファーを助けてください。お願いします~。このままだとルシファーは~。お父さまのように勇者の手にかかり。冥府へと誘われてしまいます~。だから助けて~。お父さま~」と。

 麗しい魔王さまは、悲痛な表情と涙を浮かべ流しながら天を仰ぐのだよ。彼女の他界……。



 先程から何度も、勇者見習いである一樹へと、怒声として吐いた父の敵……。



 そう、勇者に殺害され冥府へといるだろうと思われる。彼女の父へと助けて欲しいと心から願うのだよ。

 その願いが必ず叶わぬことだと、魔王さま自身もわかっていたとしても。

 これから自分自身も父のように躯……すら残らない。塵や埃となるだろう身の上に対して絶叫を上げ──。泣き叫ぶことしかできない麗しい魔王さまなのだ。



 ああ、無念……


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