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第9話 魔王と勇者見習い(21)

 う~ん、それでも、一樹は、勇者見習いだから『じわりじわりと』と。魔王さまへと迫りくる。

 自身の利き腕の掌を青白く妖艶に光らせながら、唇の端も吊り上げ苦笑を浮かべながら迫りくるのだ。

 いくら相手が一樹の好みのタイプの女性……。妖艶、官能的な上に麗しい魔王さまであろうとも勇者見習いである一樹は魔王さまを、殺傷処分にするみたいなのだ。

「魔王~? 少女は何処だ? 何処にいる?」と。

 一樹が憤怒した表情で、魔王さまに少女のことを何度訪ねても。

「知らぬ! 知らない! 本当にわらわは知らないのだよ……。わらわの申していることを信じて欲しい勇者。お願いだ……」と。

 魔王さま自身も知らぬ存ぜぬを貫き通すみたいだから、一樹は魔王さまのことを殺傷──塵と灰にかえるみたい。

 だって一樹自身には、魔王さまの言葉……。



『幼い少女など知らない』の台詞自体が嘘偽り。彼女が何かしら一樹自身に隠していること自体は、彼も気が付き悟っているみたいなのだよ。


 だから一樹自身も強引な態度と、言うか? 強硬な手段をとり始めだしたと言う訳なのだ。

 だって一樹は自身の脳裏……と、言うか? 己の口で荒らしく魔王さまへと問うのだ。

「魔王? もしかしてお前? 俺が探している少女のことを、もう既に殺害したのではなかろうな?」とね。

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