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十 人種融和政策

 いったんは地球上から消える兆しを見せていた人種差別や民族差別だったが、自国経済優先策を講じる大国のエゴから、ふたたび、人種差別や民族差別が激化した。

 折しも、世界的に新種のウィルスが蔓延し、世界各国で自国の経済を保とうとする政策や、ウィルス蔓延をきっかけに他国へ経済侵出を企てる大国は後を絶たない。
 新種のウィルスは、こうした他国へ経済侵出しようと企てる大国が、WHOを抱き込んで意図的に蔓延させたといわれるほどだ。

 新種のウィルスの蔓延で、世界各国の経済は停滞し、そのしわ寄せは貧民層、つまり、白人至上主義が存在する国では有色人種へ、民族至上主義がはびこる国では被支配民族へ、階級制度が存在する国では下層階級へ向けられた。人種差別や民族差別は国連安保理常任理事国とて例外ではなかった。

 事態を懸念し、国連議会が動いた。人種差別や民族差別を行なっている国の意見を排除し、国連議会は「人種融和政策」を議決した。
 つまり、
「コーカソイドの配偶者はネグロイドかモンゴロイドにかぎる。
 ネグロイドあるいはモンゴロイドの配偶者はコーカソイドにかぎる。
 配偶者を同一民族や同一階級から選んではならない」
 とである。

「人種融和政策」が実行されて世代交代が続いた。
 肌の色だけで人種を差別することはなくなった。
 民族意識や階級意識も消えた。

 しかし、とんでもない事態が現れた。人種融和政策を講ずる段階で、人種の能力的識別が行なわれ、優れた能力を持つ者同士の子孫が誕生していた。それら子孫はあらゆる面で優れた能力を駆使し、社会を支配するようになっていた。新しい人種ではなく、新しい民族ともいえる、一族主義の台頭だった。

(明治、日本人の貧弱な容貌を懸念した大臣が、日本人と露西亜人との婚姻により、日本人の容貌の向上を図るよう提案したとか・・・・)

(了)

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