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トシキは続ける。
「それでさ、荒れていた俺はある時、一人の男にであってさ、最近テレビにもよく出てるかとうれいじ、あの人がさ、俺の人生を変えてくれたんだ」
かとうれいじとは、昔、親に虐待されて、その後、暴走族のリーダーになり、暴れていたが、捕まりそこで反省して改心し、その後、仲間と会社を設立させ、今では年商5億とも言われる不良たちを立ち直らせるために力を注いでいる、注目の人物であった。
カオルもテレビで最近よく見る人物であった。
カオルは驚きながら言う。
「あのかとうさんのもとにいたんだ、よかったね、トシキ・・・・・・でもさ、かとうさんって、本当にすごい人なんだね」
と泣き顔で笑っていった。
トシキは笑いながら言う。
「ああっ、だから今の俺はさ、決して不幸でもないし、信頼できる仲間がいる、何よりも俺のそばにはさ、カオル、お前がいるんだな、辛かったときはさ、本当に死にたいと思っていたけど、死ななくて本当によかったよ、今の俺は最高に幸せだ・・・・・・・」
カオルは泣きながら「本当によかったね」と言った。
トシキはカオルを優しく抱くと、甘いキスをした。