バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

第18話 『ゴーレムと魔王』



「アベル!!」



 私を庇ったせいでアベルがゴーレムに踏み潰されてしまった。



 アベル。彼は良いやつだったよ。
 魔王になりたいと言っていたが、純粋すぎて修行と偽った家事をやらさせるし、最後には私を庇って……。



 だが、これで解放された!!
 後はアベルから貰った金がある。これを使って勇者夫婦の手の届かない遠くまで逃げてしまえばば良い。



 私はゴーレムを無視してさっさと帰ろうと立ち上がるが、なんだか視界がぼやけている。



 私が目を擦るとなんだか冷たい。そして水滴のようなものがある。



「……これは」



 その時、ゴーレムの身体が宙に浮く。



「すみません! 師匠!! 怪我はありませんか!!」



 それはゴーレムに踏み潰されていたアベル。アベルは踏み潰されても耐え、逆にゴーレムを投げ飛ばしたのだ。



「アベル!! …………いや、そうよね。あなたは魔王になりたいんだもの……」



 私は立ち上がりアベルに大声で言う。



「この程度でやられたら魔王になる資格なんてないよ。さっさと倒しなさい!!」



「はい!!」



 アベルは背中に背負った剣を取り出す。それは最初の頃の冒険者のような装備ではない。まるで魔王のような、いや、魔王の装備。



「いきます!!」




【後書き】


 涙?

しおり