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第26.5幕 新たな動き

「そう……、結局逃したの……」
上座に座った麗玲がつまらなさそうに呟く。
「申し訳ありません」
その前に膝をつき頭を下げる男女ーーそれは神界軍の総長と副総長だった。
「……まぁ、いいわ。……それより、神界の方はどうなっているの? 」
「……はい。まだ私達が魔神族とはばれてはいませんが、神界に伝わるのも時間の問題かと」
「……そう。……なら、その前に動かないとね」
「というと、まずは神界ということですか? 」
「ええ」
「では我々が……」
そう言うと、総長と副総長は立ち上がる。
「……ええ、任せるわ。……いい報告を待ってるわね」
麗玲が笑みを浮かべ、二人はそれに礼をして立ち去っていく。
その二人と入れ替わるように、天奏が部屋へと入ってきた。
「あの二人は神界へ向かったのかしら」
「そうよ。神界はあの二人に任せておくわ」
「後の世界はどうするの?それに……天華達はどうするつもり? 」
「暫くは光の街にいるでしょう。……ちゃんと手は打ってあるわ」
言うのと同時に麗玲は妖しく笑う。
そして、扉の方へ視線を向けた。
「入りなさい」
その言葉に入ってきたのは、橙に近い金髪をした男女だった。
二人は麗玲と天奏に礼はしたものの、表情は暗い。
「何か不満がありそうね」
「……いえ、とんでもない」
「麗玲様と天奏様に不満なんてありませんよ」
「そう……?……まぁ、不満なんてある訳ないわよね。寧ろ逆に感謝してほしいくらいだわ。あなた達の〈息子〉の近くにおいてあげるんだからね」
「「……」」
「さぁ、行きなさい。……あなた達には白羅の代わりを務めてもらわなければならないのだから、しっかりと頼むわね」
それに二人の男女はもう一度頭を下げた。

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