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第10話 わらわは♂これで魔王をやめました(26)

「先程も俺がルシファーさんへと訪ねたことなのだけれど」と。

 一樹は自分自身へと注目した二人へ呟く。

「はい。どちらの件でございましょうか? 旦那さま?」

「ん? どの件じゃ、一樹?」

 一樹の問いかけに対して二人は、直ぐに言葉を返してくる。

 それも? 親子揃って仲良く。全く似ていない顔と容姿──。少々悩んだ顔をしながら一樹に注目──問いかける。

「あのさ、先程俺がルシファーさんに。この部屋若しくは、このお城に金髪碧眼の少女がいるはずだから。知らないか? と、訪ねたと思うんだけれど。俺はその少女を連れて帰るようにと、君の姉さんから頼まれていてね。ルシファーさんは、その少女のこと……。何処にいるのか、知らないかな?」と。

 一樹は先程も、と言うか?

 魔王ルシファーさまとの物々しい争いの最中に、何度か彼女に問いかけた【金髪碧眼の少女】のことを、たぬきの御老体ではなく。魔王ルシファーさまへと問いかけたのだ。

「あああ~。それならば。先程も一樹、お主にルシファーが告げた通りじゃ。お主の目の前にいるルシファーが。お前や朱華が探している少女じゃよ」と。

 一樹の問いかけに対して、問われたルシファーさまではなくて、彼女や朱華嬢の父君であらせられる前魔王佐多名衛門の助(サタナエモンノスケ)殿こと。たぬきの御老体が笑いながら説明をしたのだ。

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