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第10話 わらわは♂これで魔王をやめました(24)

 と、なれば?


 一樹自身は、善は急げとなるから。己の口を自然と開く。

「あのさ、二人とも?」

「どうしたのですか、旦那さま?」

「ん? なんじゃ、一樹?」

「ルシファーさんが俺の嫁になる、ならない、の話しは、後で家に帰ってからゆるりと話し。家族会議をしようよ。ねぇ~、二人とも。それでいいだろう?」と。

 二人に問いかける。

 それも? たぬきの御老体に対しては、全くと言って良いほど気にはしていないのだが。

 魔王ルシファーさまに対して、チラチラと凝視──。できるだけ彼女の美しい紅玉の瞳とは目を合わせないようにしながら。恐る恐ると訊ねる。

「はい、わらわは、別に構いませんよ。旦那さま……。わらわの主さまの意に従います」と。

 素直に。と、言うか?


 またまた一樹に魔王の微笑みを投げかけながら呟く。

 だから一樹は落胆……。



 自身の心の中で「(どうしよう?)」と、また思い悩むのだ。

 余りにも魔王ルシファーさまが素直で可愛いから……と、言うか?


 まさに絵に描いたような王家の純情なお姫さまだから、己の妃……。



 それも? 一樹にはもう、第一夫人と呼ばれる朱華嬢。と、言うか? 彼の女王さまがいるから。魔王ルシファーさまの地位は、どう考慮をしても第二夫人、妃であるから。一樹は魔王ルシファーさまに対して、大変に忍びない。

「(ルシファーさんには、本当に悪い。悪いな……)」と。

 こればかりを自身の心の中で嘆いている始末……。

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