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第9話 魔王と勇者見習い(8)

「貴様だけは絶対に許さぬ~! 許さぬ~! 我を……ではなく。わらわのことをさんざん侮り……。愚弄しおって~」〈ガンガン! ガンガン!〉と。

 妖艶、官能的な女性魔王さまは、自身の華奢両腕で持ち握る。大鎌仕様の戟を一樹へと殺意を込めて何度も振りおろすのだ。

 先程一樹が魔王さまへと説明をした『自分は勇者ではなく勇者見習いだ!』の台詞を聞き──。更に彼女は真っ赤な顔……。せっかくの美貌……。



 そう、一樹の住む近代的な世界の古の物語に登場をするヒロイン女神達である、多々いる豊穣神の女神達と変わらぬ程の美貌といで立ちを持つ。美しい魔王さまなのに、お猿さんのように真っ赤な顔としかめ面をしながら。自身と対峙している一樹へと、荒々しい台詞と行為を吐き、おこなっている美しい魔王さんの様子を凝視すれば、『本当に勿体無い……。そして残念……』だと思う。

 だって? 先程も説明をした通りで、魔王さまの容姿は、天界の豊穣神達と見比べても、見劣りをする容姿では無いのだ。

 だから彼女にはいつも女神の笑み……と、言う奴ではないか?


 まさにこの世界一の財宝と言っても過言ではない。魔王の美しき笑みを永遠に浮かべながら微笑んでいてもらいたいと心から願い思う。

 また、こんなことを思うぐらいだから、魔王さまと対峙して受け身に回っている状態の一樹……。

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