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「えーこれぐらい可愛い方がいいと思いますけど」

「隣に歩く俺の身にもなれ。
ほら、こっちも着てみろ。これなら清楚で大人っぽいぞ!」

 そう言い違うドレスを勧めてくる。
こっちもいいと思うのだが……。
 しかし課長の選んだドレスも確かに素敵だ。
ならと思いそのドレスも着てみる事にした。

「うん?あれ?課長~これだとファスナーが上手く締まりません」

 背中の部分のファスナーが引っ掛かり締める事が出来なかった。
 サイズは、合っているはずなのに。
もしかして少し小さめに作ってあるのかしら?

「はぁっ?ちょっとカーテンを開けるぞ」

 すると課長は、強引にカーテンを開けると締めるのを手伝ってくれた。く、苦しいです……課長。
 無理やり締めようとするので、お腹や胸元が圧迫して、とても苦しかった。

「宮下。お前……痩せろ」

 ガーンと課長の思わない一言にショックを受ける。
これでも平均体重なのに……。
 すると見かねた女性店員さんが慌てて声をかけてくれた。

「お客様。サイズを上げる事も出来ますが?」

「いえ。これぐらいのサイズを着れないのは、コイツの管理不足なので。
 きっちりそれまでに痩せさせます!」

 課長は、キッパリと言い切った。
さらにガーンとショックを受ける。
 そこまでして、このドレスを着たい訳ではありませんから!!

「課長……あっちの展示してあるドレスもき、着てみたいです」

 必死に違うウェディングドレスを勧めた。
何とかダイエットから逃れないと……。
 課長の事だ。やり出したら徹底的にダイエットさせそうで考えただけでも恐ろしい。

「うん?どれだ?」

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