05
「当たり前だ。本格的のワインを追究して楽しむために取ったに決まってるだろ」
そうアッサリと凄い事を言ってくる課長だった。
いやいや、本格的って……。
だから一体何を目指しているんですか!?
「ワイン……好きなんですね?」
「あぁ、ワインだけじゃなくても酒なら、どれも好きだな」
確かに……お酒が強い印象はあった。
宴会の時も顔色一つ変えなかったし。
むしろ強過ぎて周りが弱いと呆れていたっけ?
そうしたら司会のアナウンスが流れてきた。
「それでは、いろんな種類のワインをご用意致しました。
皆様。お好きなワインを飲み交遊関係を深めて下さい」
「ワインを取ってくる。
宮下は、何の種類のワインがいいんだ?」
「あ、お任せします」
司会者の言葉が終わると課長は、すぐに私に聞いてきた。
実際ワインの事は、詳しくないので任せた。
何の種類と言われても定番な物しか分からないし、そこまで興味もない。
ただ飲みやすいのを飲むぐらいだ。
「なら、そこで待っていろ。取って来るから」
課長は、そういうと向こうに行ってしまった。
私は、待ちながらハァッ……とため息を吐いた。
あんなに不機嫌になっていたから、てっきり今日も機嫌が悪いものだと思っていたら元に戻っていた。
どうして?仕切り直しだから?
やっぱり課長の方が私を振り回していると思う。
意味が分からない。でも、このままだといけないと思う。
私達は、婚活に来たのに、これだとただ2人で習い事に来ているようなものだ。するとその時だった。
「あの……今1人ですか?」
えっ?と振り返ると凄いイケメンが目の前に現れた。
か、カッコイイ……!!
まさか、こんな場所でイケメンに出会えるなんてありがとうございます!