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第105話

 実弾であるグレネード。それはルシーナのA.E.バリアに影響されず、残っている四枚の装翼で防いだとしても、爆風を完全に防ぎきることはできない。

 ルシーナは間違いなく、ダメージを受けているだろう。しかし……

「う…………」

 04の胸に、二つの穴が空いていた。

 04は敵の二人が撃ったエネルギーライフルの光から、身を挺してナオを守っていたのだ。

「……ナオ……すみま……せ……」
「04!」

 地上へ墜ちていく04。それをナオは抱き止めようとした。しかし、そんな暇を敵が与えてくれるわけがなく、二翼の一人が攻撃をし、追いかけてきた。

 その間に、敵の二人は空中に留まっている煙の塊の方へ飛んでいく。すると、

「……やって……くれたわね!!」

 煙の中から、ルシーナが姿を現した。

 顔や腕の人工皮膚は焼け焦げ、破片が刺さり、人工血液の出血が見られる。

 その表情は明らかな怒りだが、同時に喜びに満ちているようにも思える。

「ルシーナ、撤退を推奨します」
「現在、あなたの損傷率は三二パーセントです」

 一人がナオを追い、攻撃を仕掛けている間、ルシーナの側に寄っていった二人が言った。けれど、ルシーナはギロッとした目で、その二翼に言う。

「あぁ? 何言っているの? 私はまだ戦えるわ。それに、ついさっき命令変更されたじゃない」
「ですが、私達はあなたの損傷率が三〇パーセントを超えた場合、回収して撤退するよう、命じられて……」
「私はそんな命令受けていない! 邪魔をするのなら、あなた達から先に壊すわよ? 02を追いかけ回すのもやめなさい。そいつは、私の……私だけの獲物よ。ふふふ……」
「「「…………」」」

 三人の二翼が動きを止め、ナオは一時的だが攻撃から開放された。しかし、それによる急速で、彼女の体力が回復するわけではない。

 ナオの外傷はルシーナよりも軽いが、オーバー・リバレイトによる負荷は、確実に彼女の体を蝕み、腕や足に入る力も低下していた。射撃はまだ可能だが、ブレードによる攻撃は満足にできないだろう。

(……もう、長くは持たない……か)

 ナオは試作型高出力エネルギーカノンへの、エネルギー充填を開始した。直後、

「――――!」

 ルシーナが撃ち始めてきた。

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