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第10話 わらわは♂これで魔王をやめました(8)

 う~ん、でも一樹もオスなのだから異性を凝視して見惚れてしまうのは致し方がない。ましてや、彼の目の前にいるのは、大変に素晴らしいプロポーションを持つ絶世の美女である麗しい魔王さまであり。彼女の妖艶、官能的な甲冑を身に纏う御姿──容姿を凝視して魅入り、虜にならないオスなどいないと思われるほどの女性なのだから致し方がない気がする。のだが……。



 でも? 彼の目の先にいる魔王さまは、中々一樹に声をかけてもらえないから。

(勇者さまはどうしたのだろうか~? 先程からわらわの顔を見詰めたままで、次の言葉をくれないから。わらわ自身も少々困ったなぁ~)

 と、思い始めているよ。

 だから一樹! そろそろ麗しい魔王さまへと優しい御声をかけてあげないと。と、思うのだよ。

 まあ、こんなことを思案しながら心配をしていると。

「どうだ~? 一樹~? 良い娘であろう~? 家のルシファーは……」と。

 魔王さまの麗しさに魅入り虜。沈黙を続けている一樹へと。魔王さまのお父上らしい。


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