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第7話 扉の前の二人(2)

 いきなり荒らし口調で一樹からメイル化の嘆願要請を受けたタヌキの御老体の方はというと。彼は慌てふためいた様子と声色で一樹へと言葉を返したのだが。

 彼! 一樹は? そんなタヌキの御老体の様子など気にもしていない様子。


 どころか?

「……爺さん、この中にあるのは、財宝だけではなく強力な何か……。そう? 爺さんが誰もいない空き城だと言っていた筈のこの古城の、この扉の前に到着したら急に部屋の奥から強力な魔力を持つ何かの気配を感じだしたんだけれど……。一体どういうこと……と、いうか? 今更グチグチと言っても仕方がないので後で説明をしてもらうぞ、爺さん……」と。

 一樹は、自身の台詞と嘆願で、慌てふためき動揺をしているタヌキの御老体へと強気声色と口調で話しかけ。部屋の中にいないはずの魔物がいることに対して問いかけるだが。

 でもタヌキの御老体は一樹の問いかけに対して、「…………」と無言。答えを返さない。


 だけど彼? そう一樹は。

「メイル変化―!」とだけ。声を大にして叫んだ。

 と、同時にタヌキの御老体の小さな身体が光に包まれ『ピカ~!』と、神々しく輝き始めるのだよ。

 辺りの暗闇が照明とライトの光りを浴びて、周りの景色がはっきりと見て確認がとれるほどに、神々しく光輝き続け。少し間が空けば彼……。



 そう、タヌキの御老体の身体は、光の粒子が散り消えるようにその場から姿を消したのだ。

 何故だかわからないのだが? 彼の姿はもうどこにもない様子ではあるのだが。でもそれと同時に?


 巨大な扉の前に佇み、睨むように凝視をしていた一樹の身体……容姿に異変が起きている。



 そう? 神々しく煌びやかな金色の、竜の容姿をかたどったメイルを身に纏う一樹の勇んだ凛々しい雄姿がそこにはあったのだ。


 ◇◇◇◇◇

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