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プロローグ? (逃走をする魔王さま……)(3)

「く、くそ……。絶対に許さない勇者……。必ずお父さまの敵は、わらわがこの手で……。この手で必ず成し遂げてやるからな! 覚悟をしておけ、勇者……」

 あ、あれ? 暗闇に覆われた雑木林の仲を駆け抜けていくエルフの幼い少女は、『勇者さま』ではないようだね。今少女の口から勇者のことを呪うような台詞……。憎悪を含んだ低くて重い声色での物々しい台詞……。世に善人、賢者だと謳われている勇者が、少女の父の敵だと漏らしていたね。

 それも後日……と言うか。いつか必ず父の敵を獲るのだと物々しい台詞を漏らしながら。この漆黒の闇に覆われた雑木林の中を只ひたすら走り抜けているのだ。

 となれば? 漆黒の甲冑を身に纏うエルフの少女は、勇者と呼ばれる者達とは正反対の存在になる者なのだろうか? 少女の口から『勇者は父の敵!』だと申していたからね。

 まさか? 少女の金色に揺れ靡く、神々しい金色の髪とは不釣り合いな存在……。

 そう? 少女は魔族と呼ばれる者達に類する者かも知れないね?

 だってエルフの少女は?

「くそ! くそ! 勇者! 必ず、必ず……」と。

 何度も自身の口から、勇者の者に対しての呪いと憎悪含んだ不満を漏らしながら掛けぬけているからね。


 ◇◇◇◇◇

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