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「あら、いいわよ。私の方が全然動けるし」
「ありがとう。そう言ってくれると助かるわ。
真美子は、今なんヶ月目だっけ?」
同じく妊娠したと分かった時は、驚いた。
「私は、まだ5ヶ月目。
学年から行くと……私の子の方が年下になるのよね?」
あぁ、確かにそうなるわね。
私の双子は、3月……今月産まれる予定だ。
真美子の所は……8月が予定日になる。
そうなると学年が1つ下になるのか。
「真美子がどちらを産んでも同性が居るし、仲良くなってくれると嬉しいよね」
「そうよねぇー異性は、恋人同士でもいいわね」
「それは、ダメよ。イケメンの息子を産んで芸能界入りするんだから」
最初は、自分に気合いを入れるために言ったことだったが、今だとその気になって仕方がない。
イケメン息子……欲しい。
「あんた……またイケメン中毒になってるわよ。
目がキラキラさせて」
「そう……?」
フフッ……妄想するだけでも浮き浮きしてしまう。
私は、根っからのイケメン好きなのよ。
少しは、セーブするつもりだけど……課長に怒られちゃうから。
そう思っていたらお腹の方が少しズキッと痛みだした。あれ?痛いかも……?
「菜々子、どうしたの……?」
「うーん?何かさっきから少しお腹が痛むのよね」
「えっ?大丈夫……それ!?
もういつ産まれてもおかしくないんでしょ?」