05
必死に自分に言い聞かした。
あの2人のせいで変に意識をしてしまう。
こんなの私らしくない。課長は、課長なんだから
だから、こんなモヤモヤした気持ちは……忘れよう。
バサッとTシャツを脱いで着替えた。
更衣室から出ると外で課長が腕を組んで待っていてくれた。ただし……。
「遅い。着替えるのに、どれだけかかっているんだ!?」
しかも説教付きだが……。
「す、すみません。」と目線を逸らしながら謝った。
何だか目を合わせづらい。
すると課長は、ハァッとため息を吐いてきた。
「まぁいい。それより行くぞ。
今日は、俺の家にしよう。美味しいサツマイモが手に入ったんだ!」
それだけ言うと先に行ってしまう。
えっ?芋?いや……それより課長の自宅ですか!?
「あ、待って下さい」
私は、慌てて課長を追いかける。
そういえば、気づけば婚活パーティーに参加した後って、いつも課長と反省会という名目の食事をしている。
ほぼ強制的だったから嫌々参加していたけど、いつの間にか習慣になっていた。
よく考えたら毎週反省会をする意味ってあるのかしら?
そりゃあ、よくなかった事を振り返り、今後の婚活に活かすのも大事だと思うけど……。
ほとんど私と組んでいるため、それを活かされたことって……あったのかしら?うーん。
というか、毎回同じことで悩んでない?私って……。
「宮下?お前……さっきから何考え込んでいるんだ?」
ハッとする。いけない、いけない。
つい考え込んでしまったわ。
「いえ。ちょっと気になる事がありまして……」
「何だ?話してみろ」
「あ、いえ。素朴な疑問なので……気にしないで下さい」
課長は、横で歩きながらそう言ってきた。
これを聞いてもいいのかしら?
下手に聞くと怒られそうで怖いしなぁ……。