バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

10


「課長。もう……いつの間にか居なくならないでくださいよ!?捜しましたよ!
 急に辞退するなんて課長らしくありませんし」

 私のあまりにも腹が立ったので課長にそう言ってしまった。だが、すぐハッとする。
 あ、しまった。課長になんて口の聞き方を!?
どうしよう……怒られちゃう。しかし

「……そうか。確かに急に辞退するのは、不本意だな。すまなかった」

 課長は、アッサリ悪いと認め謝罪をしてきた。
えっ……?私は、その言葉に驚いてしまう。
 なんか……課長らしくないからだ。

 悪いと思ったら素直に謝るのは、この前知ったけど……いつもなら、もっと堂々としているのに。
 何だか素直過ぎて気が抜けてしまった。

「あの……少し言い過ぎました。すみません」

「何故謝る?俺が誘って行ったのだからお前が怒って同然だ。それより、座れ」

「は、はい。失礼します」

 課長に言われ恐る恐る隣に座ることにした。
同じのを頼むとチラッと課長を見た。
 熱燗を飲んでいた。なのに何だか寂しそうに飲んでいるように感じた。課長……?

「そういえば、あの後どうなったんだ?
参加者の男性に声かけられていただろ?」

 課長から突然話をふってきた。えっ……?
あ、やっぱり見られていたんだ?
 安西さんと話しているところを……。
いや、当たり前か。直前まで一緒に居たんだから

「えっと……電話番号を教えてもらいました」

モジモジしながら答えた。
改めて貰った事を意識すると恥ずかしくなってくる。
 でも凄いと思いませんか?これって……。

「……そうか。良かったじゃないか、お前好みのイケメンで」

えっ……?課長の言葉に驚く。
 課長……やはり私がイケメン好きなのを知っているんだ?いや。それよりも今良かったなって……。
 何故だか、そう言われると胸の辺りがチクリと痛んだ。

しおり