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第2話 出会い! (12)

「こ、こらぁ、ああああああっ! あっ、貴方、何をしているの? ……まっ、まさか? 死ぬつもりではないでしょうね?」

うぁ、ああああああっ! なんだ、この女性は?

社の扉が開くと──いきなり、現れたよ。もしかして、女性のお化け?
だって、彼女の指の先の方から、火の玉がメラメラと燃えているのが、確認がとれるし。
僕は、|物の怪《・》だと思われる女性に「こらぁ、ああああああっ!」と、大きな声で怒鳴られたんだ。

……もしかして? |物の怪《・》風情に、死ぬなとお慈悲の言葉を貰ったのかもしれないよ?

……でもさ、もう生きる気も無い、人生を放り投げた僕だから。
「す、すいません、死なせてください……もう人生に疲れました」
と、お化けに述べたんだよ。もう死なせてくださいと。

でもさ、死んでる人に『死なせてください』と、述べるのは、可笑しな話だと思うけれど。
僕はね、この時は、本気で悩みもせずに、彼女に嘆願したんだよ。泣きそうな顔をしてさぁ……

だって、この先人生、生きてても苦しいだけだと、皆さんも思わないかい?
僕ね、もう疲れたんだよ。納品業者や取引銀行からの催促の電話と、着信履歴の留守番電話機能と、ファックス攻撃には……

もうさ、部屋の電気を消して──居留守を使い、自分自身の耳を抑えても、耐えきれない……だから自殺しようとしたのにね……

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