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「宮下は、会社に関してはミスも多いが残業も進んでする人一倍の努力家だと思っていた。
 そんなお前が辞めて再就職の道を選んだんだ。
さぞかしいい会社なんだろう。で、何処なんだ?」

 課長……変なプレッシャー与えないで下さい。
しかも聞く気満々だし。
 それに残業してるのは、残業手当が少しでも欲しいからでして。

「えっと……昔から夢だった喫茶店を経営してまして…」

「喫茶店を経営……?宮下がか?」

 課長は、驚いた表情をしていた。
えっ?そんなに驚く事だろうか?
 もしかして信じてくれないか、疑っているの?

「へ、変ですか……?」

「いや、経営とは凄いなと思って……そうか。
 そういえば、資格とか取るためによく参考書とか読んでいたしな」

 課長は、納得したようにお酒を飲んだ。
初めて不知火課長に凄いと褒められた。
 それよりも……よく気づいたわよね?
私が資格のために参考書を読んでいたことに……。
 コソコソとやっていたのにと不思議に思った。

「喫茶店か……俺もたまにモーニングで利用する。
何処にあるんだ?一度覗いてみたいものだ」

……はい!?そ、それは、勘弁してほしい。
 私の喫茶は、イケメンしか居ないなんて課長が知ったら間違いなくドン引きしてしまう。
 それどころか何を言われるか分かったものじゃない。

「まだ、改装中なんです。開店するまでまだ先なので……」

「そうなのか……?
退職してから2年以上も過ぎてるのにか?」

「お、店舗探しから店員を雇ったりとやる事が、たくさんあるんですよ。もう毎日忙しくて」

 何とか無理やりな言い訳をしながらフフッと笑って誤魔化した。
 お願いだから余計なツッコミを入れないで……。
課長の尋問に悲鳴が飛びそうだった。

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