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ハンカチ

「あのね、ゆうくん」

ゆうは優しい瞳で言う。

「なに」

カウカウ

「今日ね、友達のようくんがね、電動つき自転車で来たんだ」

ゆう

「うん」

カウカウ

「それでね、その子自慢してきてさ、なんか本当に羨ましくなってきちゃったんだ」


ゆう

「そうなんだ」


カウカウ

「デモね、僕はお母さんに負担をかけたくないから電動つき自転車なんかいらないんだ」

ゆう
「うん」

カウカウくんは泣いてしまった。

ゆう

「そうか、電動つき自転車か、たしかにスゴいね、電動つき自転車、でもね、カウカウくん」

カウカウ

「なに」

ゆう

「ぼくはね歩くのが大好きだから電動つき自転車はいらないな、それにね、僕はね、みんなが乗ってるこのバス大好きだよ、カウカウくんと乗ってるこのバスがね」


カウカウくんは泣きながら笑った。

「ありがとう、ゆうくん」

と心のそこから言った。

ゆうはポケットからハンカチを取り出すとカウカウくんに渡した。

こうして二人は親友になっていった。

たまにはケンカもしたが、回復も早かった。


バスはゆっくりと進みながらそれぞれのママが待っている目的地に向かっていた。

夕焼けがすごく綺麗であった。

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