バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

第1話 プロローグ (1)

グローバル化! グローバル化!

と、流行り言葉のように言っているこの時勢……

僕の祖父は、団塊世代と言われている時代の人だった。特にその世代の人達に良くある光景だと思けど。祖父は良く働いた──寝る間も惜しんでね。だから幼少の頃より、祖父の背中を見てきた父は。祖父につられるように、また彼も良く働いたよ。バブルの頃の世代だから、良く売れた! だから儲かった!

……そればかりを述べて、あの頃は、本当に良い頃だったと。今の現状を知っている僕に、夢のような話をお酒に酔っては、述べてくれたよ。何度も……。

でもそんな事を僕に言い聞かされても、実感などないよ。だって僕自身はゆとり世代だから。段々と、しつこい父の話を『うん、うん』と、だけ頷くだけで。いつも右から左に耳から抜けているだけなのだ。

だから僕に話をするだけ無駄!

そう本当は父に、声を大にして言ってやりたい僕だった。でもそんな、酔えば昔は良かった! バブル期は良かった! と、述べていた父も、半年前に胃がんで死んだ! 仕事のストレスで、胃潰瘍を患っていた父だけど。とうとう、悪化したね。母さえ生きていれば、気付いたのかも知れないが。僕は全く持って気が付きもしなかった。

だって、父との会話は、食事の時に運良く二人揃えば、少し会話をして、食事を進めるだけのそんな感じかな?

だから仕事を終えて、帰宅の途に就き。家に帰って部屋に入り──父が倒れている姿を見た時は、僕は正直驚いた。

だから慌てて救急車を呼んだ!
その後父は、直ぐに入院だよ。

……でもね、父は、入院は嫌だと、子供のように駄々をこね始めるんだよ。仕事があるから、家に絶対帰るのだと聞かない……。

だけど、お医者さんに入院を絶対にしないと病気が完治しないからと説得されて。どうにか、まあ、渋々とだけど……了解をしてくれた。

しおり