バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

 第3話  【進め!! 洞窟探検隊 其の3】

 せかへい 外伝30


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第3話
 【進め!! 洞窟探検隊 其の3】



 向かうことになった洞窟は村の南西にある山にある洞窟だ。森林により洞窟の入り口が隠れていたため発見されていなかったらしい。



「あれ、みんなどうしたの?」



 洞窟に行く準備をするためいろいろ村でアイテムを買っていたら、緑髪の少女に出会った。



 彼女の名前はカナー。村にある銭湯を提携する夫婦の娘である。歳はパト達に近くよく遊んでいる。



「これから洞窟に行こうって話になってな」



「洞窟? あなた達だけで?」



「そう、なんだよ……」



 パトはカナーに事情を説明する。そしてリーラを引き留めて面倒を見てくれないか頼むが……。



「面白そうね!! 私も言っていい?」



「いや、なんでそうなるんだよ!!」



 パトはカナーを断ろうとするが、カナーも頑固について行こうとする。



 カナーが行くという話をしていると、リーラにもその会話が聞こえたのか寄ってきた。



「カナーお姉ちゃんも来てくれるの?」



「えぇ、こんな面白そうなの、ついて行かない方が損よ!」



 絶対おかしい。普通なら洞窟なんて怖くて危険な場所だ。そんな場所に行きたがる村人がいるこの村にちょっと恐怖を覚える。



 そんなカナーは悲しそうなトーンで言う。



「でも、行きたいのにパトがね。行っちゃダメって言うんだよ」



「えー、かわいそー」



 リーラはそんなことを言いながらパトを見つめる。



 なんとなく作戦は分かった。そしてそれにリーラも便乗している。



 正直リーラは村の中だとエリスに次ぐ天才児だ。まだ十歳程度なのに医者としての知識をほぼ全て持っている。
 王国に行って医者や薬屋、なんでもできてしまうほど、頭が良い。



 パトが困っていると、そこにエスがやってきた。エスはどこかでリンゴを貰ってきたのか。それを片手に持っていた。



 そしてさっきまでの話を聞いていたみたいで、



「おう、ついて来たいんならついて来な」



 とか言い出した。それに対してパトは



「おい、何言ってるんだよ……」



 と止めようとするが、



「俺の槍の新技、洞窟で見せてやるぜ」



 と言うとリンゴを投げてそれを槍で貫いた。



 新しい技を考えたからそれを自慢したいらしい。そのために洞窟に行くのか? いや、馬鹿なのか。うん、馬鹿なのだ。



 エスは貫いたリンゴを抜き取ると、それを割ってリーラ達に渡そうとするが、二人は首を振って嫌がった。



 仕方がないのでエスは自分でリンゴを食べる。



「ま、今回はあいつもいるし、大丈夫だろ……」



 とエスはリンゴを食べながらパトに伝えた。





しおり