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第10話 わらわは♂これで魔王をやめました(18)

「じ、爺さん、俺には……。ね、姉さんが……」

 恐る恐るとたぬきの御老体こと、前魔王佐多名衛門の助(サタナエモンノスケ)へと声を……。



 それも? 一樹自身の目の前にいる魔王ルシファーさまへと彼は気を遣うようにと、言うか?


 まるで? 妻に内緒にしないといけない夫のような振る舞い。罪悪感があるような顔色──。

 そして小さな声色でたぬきの御老体へと声をかける。

「ん? 姉さんって、誰ですか? 勇者さま……?」

 う~ん、それでも? 直ぐにこんな感じだよ。一樹の目の前にいる魔王さまが。己の夫になるかも知れない異性の様子に、反応を示すのだが。

 だから一樹は『ドキ!』、己の顔色を変える。


「……ん? 別に朱華の事は問題ない。あやつも、父親である儂の意には背かぬはずじゃ~。だから問題はない~」

 でも、前魔王佐多名衛門の助(サタナエモンノスケ)ことたぬきの御老体、と、言うか? 一樹にとってたぬきの御老体は、転生前の己の姿だけではなくて。どうやら義理のお父上さまにもなるみたい。



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