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それから

 いつもの黒幕の登場。
 ネオンというこの声の主は、本当に何を企んでいるのだろうか。

 その場に居合わせた一同が臨戦態勢を整える……まさに、その時!

 パカンッ!
 
「おい、居眠りしてんなアルミ缶!」

 派手な打撃音に頭の痛みで、ボクは”長い夢”から目覚めた。

「夏休みが終わったばかりで弛んでるな」

 そう声をかけるのは、ブリキこと鋼谷鉄平”先生”。
 この学校の数学教師だ。

「なんだボーッとして、まだ眠り足りないか。
 なら、目覚ましに廊下に立ってるか?」

「えっ、へ、平気ですっ!」

 ボクは素っ頓狂な声をあげて立ち上がり、すぐに座った。

「ふん、じゃあ授業を続けるぞ。この公式だが……」

 そう言いかけて、学校のチャイムが鳴る。
 ブリキは舌打ちすると、軽く授業終了を告げ教室を出ていった。 

 そして、放課後。

「アルミちゃーん。鉄平先生の授業に居眠りしちゃ駄目だよー」

同級生のスズちゃんこと新仲硯(にいなか すずり)が声をかける。

「まぁ、確かにテッペーと銀ちゃんの授業は眠くなるだな」
 
同じく同級生の潘棚(はんだな)マリことナマリちゃんが言う。

「だからって眠くなる、と実際に寝ちゃうのは大違いスよ」

同じく同級生の目木児蹴(めきにける)こと、メッキくん。

「まぁ過ぎた事を言っても仕方ねぇべ。今日も一日終わっただし、遊びにいくだか?」

「ええとその・・・」
「自分らは、ねぇ?」

「何だ二人共、またデートだか?最近付き合い悪いなぁ!」
「いやー本当ごめんっス、ナマリ。どうしても見たい映画が初日で。ねえ、スズさん?」

 へぇ、メッキくん。スズちゃんのこと下の名前で呼ぶようになったんだ。
 少しは進展、かな?

「ごめんね、ナマリちゃん。埋め合わせはするから」
「むー、仕方ないべさ。じゃあアルミ、何処にするだか?」

 ナマリちゃんがそう尋ねてくる。
 とりあえず、まぁ普通にマ○ドナルド、かなぁ?

「そういやナマリ、今日は随分長いこと眠ってたみたいだべ」
「えっ、そんなに?」
「ああ、何しろ授業の一時間目から昼休みすっ飛ばして、放課後前のテッペーの授業まで」

 いや、そこは起こそうよ!ナマリちゃん隣の席だよね?
 ってことは、ボクは昼食も食べてないってこと?

「いや、すごく気持ちよさそうだったんで。
 それで、どんな夢を見ただか」

 うーん、正直よく覚えてないんだけど。
 なんか通勤途中で。

「通勤?通学じゃないんだか?」

 うん、なんかボクが新人の社員なんだよ。
 そして通勤途中で、頭から地面に埋まったおっさんを拾うんだ。

「頭から地面に?そりゃ凄い状況だべ」

 そうそう、例えばこんな感じで・・・え?

 そう。
 確かに、こんな感じで。
 一人のおっさんが、頭から地面に埋まっていた。

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