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【ざっくり映画紹介】『プラットフォーム』【その4パンナコッタ】

*注意:このざっくり劇場は過去に記事にした『プラットフォーム』という映画をざっくり紹介しており、本編と内容は乖離があります。

門平「ほらっ! 食い物はやる! 俺たちに近寄るな!」

ベルシュタイン「『ベルシュタインバスター』!」

 ベルシュタインは言うことのきかない相手の足をふうじこめ、体を裏替えしにして、自分の肩車にのせ、首骨と背骨を折っていた。

 しばらくは順調だった。

 おかしいのは250層からだ。

美雪「えっ? ちょっと! 250層じゃなかったの? 台止まらないわよ?」

 台、どんどん下へと降りていく。

 人の血まみれな死体が増えていく。

ベルシュタイン「どういうことですの?」

門平「誰もいないと思われている階層じゃ、台は止まらない」

美雪「なんでみんな血まみれなの? 何!?」

 下の階層から悲鳴。

 つばを飲み込み、台からのぞく。

 熊が立っていた。

 いや、あれは、女性、か?

ベルシュタイン「あれは……」

門平「知ってるのか?」

ベルシュタイン「魔理姑《まりこ》」

門平「誰?」

ベルシュタイン「旦那が働かず、生活に疲れた主婦よ。あんなに変わり果てて……」

門平「えっ? あれ、ストレスでああなってんの? ものすごい筋肉なんだけど?」

ベルシュタイン「彼女がパートで働いているスーパーの試食コーナーで、たまに買うとみせかけて、試食して、そのまま逃げ帰ってあげてた仲よ。かわいそうに。ここで私が終わらせてあげますわ!」

門平「金持ちなら買ってやれよ!」

ベルシュタイン「とう!! 『ベルシュタインアタック!!』」(台から飛び上がる)

魔理姑「ふしゅるるうるるるるるうるるるっ!!!!」

 ベルシュタインの攻撃に気づいた、魔理姑が獣のようにうなる。

 日頃のストレスに獣化してやがる。

男「ちぇすとぉ!!!!」

門平「おわっ!?」

 いきなり刀が振り下ろされる。

 魔理姑と一緒にいたやつか? よく生きてたな!

男「魔理姑さんは誰にも渡さない!」

門平「えっ? 不倫相手? あぶねぇ!」

 俺は刀を両手で受け止めた。

 男は力を込め、俺を真っ二つにしようとしてくる。

門平「萌美ちゃん!! こいつ食べちゃって!!」

萌美「むにゃむにゃ。おやしゅみい」

門平「全部食っとる!?」

 萌美はいつのまにか元の幼女に戻り、台にあった食べ物は全部食べられていた。

 おなかがいっぱいになったのか、萌美は台の上で寝る。

門平「ベルシュタインさん!」

ベルシュタイン「『ベルシュタインキャメルクラッチ』!!」

魔理姑「ぐわあああああああああああああっ!!」

 ベルシュタインは魔理姑の背中にとりつき、首を両手で持ち上げて、背骨を折ろうとしている。

ベルシュタイン「どうなの魔理姑!! これがあのとき、私に試食させなかった痛みでしてよ!!」

門平「買ってやって!! 美雪さん!!」

美雪「ラーメンがないわぁ~」

 美雪はラーメンのお椀を持って絶望している。

 あかん! 死んじゃう!!

男「ぼくと魔理姑さんは二人でラーメンを食べあった仲なんだ! 邪魔はさせ、ぐはっ!?」

美雪「あんたが上でラーメン食べてた犯人ね!」

 美雪がお椀を男に投げつけ、頭部に直撃した。

 そのあと鈍い、背骨が折れる音が聞こえた。

 戦いが終わり、俺たちは台の上で倒れていた。

 食事はすべて萌美ちゃんに食われてしまった。

 気づいたら、一番下の階についていた。

美雪「……ラーメン屋に行きましょ」

ベルシュタイン「……そうですわね」

門平「……そうだな」

 俺とベルシュタインも美雪と一緒に台から降りる。

萌美「ふにゃふにゃ」

 萌美はまだ寝ていた。

門平「萌美ちゃんはどうする?」

ベルシュタイン「彼女は『パンナコッタ』よ。デザートとして上の階の人たちにお届けしましょう。萌美ちゃんが目覚めたら、そこにあるものすべてを食らうわ」

門平「阿鼻叫喚だな」

 台がすごい勢いで、上にあがる。

 萌美という『パンナコッタ』をのせて。

 たくさんのごちそうに、彼女の暴走は止まらないだろう。

美雪「明らかね。もしラーメン屋が近くになかったらどうする?」

門平「コンビニ行って、袋めんを買うさ」

(完)

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