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【ざっくり映画紹介】『プラットフォーム』【その1皿を食べる】

*注意:このざっくり劇場は過去に記事にした『プラットフォーム』という映画をざっくり紹介しており、本編と内容は乖離があります。

――とある何もないコンクリート部屋――

門平「はっ!?」(ベッドから目がさめる)

美雪「第24層よ」(中心の穴の向こう側に座っている)

門平「……コンビニの」

ベルシュタイン「違いましてよ。24時間営業ではなくて、この部屋の階層のこと言ってるの」(中心の穴の右側に座っている)

門平「……穴か」(中心の穴を見て)

美雪「穴よ」

萌美「何を食べるのかが問題だよ。お兄ちゃん。じゅるり……」(中心の穴の左側に座っている)

美雪「萌美ちゃん。人間は食べ物じゃないのよ?」

門平「穴で何が起きるんだ?」

美雪「明らかよ。――食うのよ」

ベルシュタイン「24層はラッキーよ。1ヶ月はずっとここにいられるから」

ブーン(ライトが『赤』から『緑』になる)

美雪「きたっ!」

ベルシュタイン「きましたわね」

萌美「やったぁ!!」

門平「いったい何が……うん?」

中心の穴から食事が降りてくる。

美雪「よっしゃ!! 食うわよ!!」

ベルシュタイン「いただきます」(ナプキンを設置)

萌美「うわああああああん!!」(口が広がっている)

美雪、ベルシュタイン、萌美、降りてきた食事を食べている。

門平「おっおい、これ、上の階の人の食べ残しか?」

美雪「ひょうよ」(食べながらしゃべる)

門平「汚いぞ?」

美雪「しゅかたないじゃない。食べなきゃ餓死するんりゃもん」

ベルシュタイン「私は食べ残しは食べませんけど」

門平「…………」

美雪「たべにゃいの?」

門平「食欲が……」

ベルシュタイン「気持ちはわかりますわ。でもいつか空腹には勝てなくなりますわよ。あっ、萌美ちゃん、この食べ残し、新品に直して」

萌美「はぁ~い」(魔法を使って食べ残しを新品に)

美雪「あにゃたも食べないとににゅわよ」(食べ物をいっぱい口にふくんでいる)

門平「あとで食べるよ」(リンゴを手に取る)

美雪「そっ、あ~食った食った。萌美、残りいいわよ」

萌美「やったぁ! ああああああああああああん!!」(口が机全体に広がり、食器ごとバリバリと食べる)

ベルシュタイン「ごちそうさま」

 食事をのせた台が穴から下へと降りていく。

美雪「ふう。安心して。人数は減っていくから」

門平「それはどういう……」

美雪「下を見てみて」

門平「下? うっ!?」(穴から下をのぞくと、多くの人骨が横たわっている)

美雪「萌美ちゃんがここで全部食べちゃうから、ここから下はみんな餓死してるわ」

萌美「あむあむ。おいちー!」(食器のガラスを口から下に飛ばす)

門平「――残してはやらないのか?」

美雪「明らかよ。あなたもいつかわかるわ。ここがクズの集まりだってね」

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