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第64話 夏の班戦リターンズ

 今回の班戦のシード枠を勝ち取れたのは、ウリッツァ班である。
 なにせ今回は成績三位以上を一班が独占できなかったので、三位決定戦で負けた者なども確認した結果、マギヤに代わってウリッツァ班にいた元タケシ班平班員男子ことハッシュ・シャープがいたため、ウリッツァ班となった。
 マギヤが一人一位を取っても、他のタケシ班メンバーの喜ばしい成績といえば、せいぜい準決勝でトロイノイに敗れたメルテル副班長が三位決定戦で三位になれたぐらいである。


 タケシ班初戦の相手はザヴィー班である。序盤こそ両者互角な戦いぶりを披露していたが、持久戦にしびれを切らしたマギヤの男女平等弓矢雨(アローレイン)を前に儚く散った。
 あのザヴィー班、一人一人の実力は一般生徒よりはあるし、連携などもよく取れているのだが、他の班がいろいろ強すぎて班同士の戦いで毎度初戦敗退している。
 タケシ班にマギヤ(自分)が入らなければザヴィー班は勝てたかもしれないと、マギヤは少しだけ思った。

 タケシ班が次に戦ったのはフィー班。フィー班副班長アーサーが、フィー班最初の相手たるリカ班、もっと言えばリカ班長を蹴散らし、ここに至っている。
 個人戦においては男子勢のくじ運の悪さからか、九人の日常警護班男子の内、アーサー含めて五人が班長または副班長なせいか、初戦からろくに勝てず、フィー班長から「ちょっと男子~!」みたいなことを言われる始末――この夏は一人、元タケシ班現ウリッツァ班の平班員男子ハッシュが相手だったが、結果は、お察しである――。
「個人戦ではやられたけど、こっちでは勝ってやる! 俺の新しいわ――」
 そうアーサーが言っている間に、タケシ班平女子班員レダウが星球式鎚矛《モーニングスター》でアーサーを黙らせ、その後、他のタケシ班各員も圧勝した。
 そういえば日常警護班男子で、格闘術の授業を選択しているのは何気にストノスト兄弟とアーサーの三人だけである。


 ついに決勝戦、タケシ班とウリッツァ班の対決である。
 新ウリッツァ班メンバーことハッシュの武器は斧。タケシ班長は槍、メルテル副班長の武器はフレイルである。
 マギヤの弓から矢が飛ぶ中、タケシ・槍もとい、タケシ・ヤギが槍を構えウリッツァを貫かんとする。
 そこを狙ったとばかりに横からハッシュの斧が槍を叩き割ろうとする。
 班長が負けたら即終了の戦いでタケシの槍を破壊される訳にはいかない。
 タケシの槍から斧を守ったのはレダウの星球式鎚矛。鎚だからこそハッシュを戦闘場の壁へ叩きつけ、装備を破壊できるのだ。
「レダウ、ハッシュ片付けたなら、トロイノイ止めて!」
 プリストラの相手をするメルテルの言葉に、レダウはアイアイと返事をすると共にトロイノイの足止めに向かうが、レダウの武器がトロイノイに届く距離に達する前にトロイノイの戦闘着が裂け、トロイノイの体を霧が覆う。
「! ウリッツァ、あの弓、マギヤが引いてな――!」
 プリストラがマギヤと弓の秘密を最後まで話すのと同時に、タケシ班……というかマギヤがウリッツァ班長を倒し、見下ろし見下し、試験用の剣じゃなかったら殺している一撃を与えた。
 

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