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なぜか連行されてます

「そうか…では、君は私が保護しよう」
「保護…ですか?ええと、失礼ですがあなたは…?」
「私か?私は…「おいおいおい、俺たちは無視かあ?」」

少しの間でも自分たちの存在を忘れられたことが悔しかったのか、スキンヘッドの男が茶髪の青年の言葉をさえぎるように叫んだ。

「む。ああ、すまない。のんびりと話している場合ではなかったな」

流れるようにして右手に構えていた杖を振り、「バインド」とつぶやいた。

「ぐえええっ」
「な、なんだこれぁっ!」
「くそが…!」

三者三様に叫びながら、地面から生えた蔦で拘束されていった。


ある者は宙づりに


ある者は地面でミミズのようにぐるぐる巻きに


またある者は大量に生えた蔦に巻き込まれ、手足が絡まり、動けぬ状態に・・・


「・・・・・・」


唖然とした表情を浮かべながら、俺にとっての救世主を見つめる。

「大丈夫かい?けがは?」
「あ、ええとないです、はい」
「それはよかった」

俺の無事を確認した青年は、人のよさそうな笑みを浮かべると、俺の手を取り、「ではいこうか」と歩き出した。

「ええと…どこへ?」

手を引かれて逃げるに逃げられないので、慌てて尋ねる。

「もちろん、私の屋敷だ」


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