閉ざされた王城を抜け出し、自由を求めて森へ向かう王女アレッサンドラ。
そこで彼女が出会ったのは、名前を持たぬ不思議な少年だった。
生意気で口が悪く、それでもどこか寂しげなその少年に、アレッサンドラは「ヴィト」と名付ける。
それは、生命を意味する名前。
二人は森の奥で秘密を分かち合い、かけがえのない時間を共に過ごしていく。
だが王女には逃れられない運命があり、少年には誰にも明かせない秘密があった。
「お前がくれた名前が、オレの『生命』になった——」
その名に込められた願いは、二人をどこへ導くのか。
運命に翻弄される王女と、名を得た少年が紡ぐ、儚くも鮮烈な物語。
※この物語は「トランセンディア・スパイラル」の外伝小説です。本編を読まなくても楽しめますが、本編読了後はより理解が深まるようになっています。
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