バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

お、俺の出番が・・・!!

突然後ろから声がかかった。

「あ“?」
「え?」

声がした方・・・俺の後ろを振り向く。

茶髪で質素な服を着ているが、素材もいいし、なにより口調が平民のそれじゃない。

「君たちはいったい、こんなところで何をしているんだ」

きりりとした顔つきで青年が尋ねてくるが、その右手には杖を構えている。

「なにってなあ・・・」
「おれたちゃあ、こいつとちょ~っとだけお話してたんだよ」
「そうそう、金をくれってなあ」

ゲラゲラと顔を合わせて笑い出す。

「・・・なるほど、つまり君たちは」

距離を詰め、俺を背中にかばう。

「ナイフで脅しつつ、この男から金をせびろうとしたわけか」

ちらりと見つめてきたので、俺は肩をすくめる。

「…まあ、そんな感じです」







しおり