魔法を使ってみよう2
魔法の訓練を初めて数日が経過した。
浮遊魔法は何とか安定し始めて移動も出来るようになった。
最初の内は浮かんでは転んでの繰り返しだった。
後、浮遊した時の感覚がちょっと気持ち悪かった。
移動もスピードに体を慣れさせるために徐々に早くしていった。
おかげで何とかコントロールを取る事が出来た。
「次は攻撃系の魔法を覚えようかな。」
流石にこれは一人でやるのは拙い様な気がするのでシスターに頼んで見てもらう事にした。
「まずは火の魔法から覚えましょうか。指先を蝋燭だと思って蝋燭の火をイメージしてください。」
シスターの言うとおりに頭の中でイメージして呪文を唱える。
「ハリア・イン・フレア!」
ポッという音と共に炎が指先に出てきた。
「やった!ってあつっ!?」
「喜ぶのは消えてからですよ。」
喜んでジャンプしたら炎に触れてちょっと熱かった。
やっぱりシスターに見てもらって正解だった。
「ちゃんと魔力をコントロールできているみたいですね。初心者はいきなり大技を繰り出そうとする人がいますから。」
「シスターも魔法を使えるんですか?」
「この孤児院に来る前は私は聖女として国に仕えていたんですよ。」
「えっ!? シスターて聖女様だったんですかっ!?」
「えぇ、元ですけどね。」
そういえばシスターの昔の話を聞いた事が無かったな。
「聖女って言う事は勇者様と一緒に冒険とかもしたんですか?」
「……そう言う事もありましたね。あまり良い思い出は無いんですけど。」
そう言ってフッとちょっと悲しい表情をした。
もしかして、私触れちゃいけない所に触れちゃった?
この話はあまり深入りしてはいけないと思って私はあまり入り込まないようにした。