お城に行く
魔法の特訓を始めて1ヶ月が経過した。
シスターの始動もあって私の使える魔法は徐々にだが増えていきその能力も上がっていた。
勿論、魔法だけじゃなくて勉強もしている。
図書室にある本を読み漁った結果、それなりの知識を得ている。
年下の子達に教えるぐらいは簡単に出来る。
・・・・・・ちょっと頑張りすぎたかもしれない。
そんな毎日を送っていたある日、シスターに呼び出された。
「ご用でしょうか?」
「リリィ、貴女にまた養子の話が来ているんだけど。」
申し訳なさそうに言うシスター。
この1ヶ月、何回か養子の話があり私は全て断っていた。
しかも、1回も私の顔を見に来ていないから尚更だ。
養子にしたいのであれば1回は会いに来てくれれば良い物なのにね。
しかも、その貴族の名前には覚えもある。
私が学園に入学した時から私を馬鹿にしたり絡んできたりした奴等だ。
私が王妃になった途端に手のひら返しをしてきたから没落させてやった。
それに関しては反省も後悔もない。
だから、そんな人達と絡むなんて真っ平ゴメンだ。
「今回はどちらの貴族なんですか?」
「今回は貴族じゃないのよ。今回は王族からなの。」
・・・・・・マジですか?
「王族が出てくると言う事は貴女をなにがなんでも国の力にしたい、と思っているのよ。」
「面倒ですよね。」
シスターも苦笑いを浮かべている。
「ただ、今回は貴女に会いたがっているのよ。私も一緒に行くから1度だけ会ってみない?」
「会うだけですよ? 会ってその先はわかりませんから。」
という事で後日、私はシスターに連れられてお城に行く事になった。