幼馴染みの少年2
「いってぇ・・・・・・、いきなり人の顔面に殴る奴がいるかよ・・・・・・。」
「失礼な事言ったのどこの誰よ。」
涙目で抗議してきたジャンだが、私は気にしない。
喧嘩を売ってきたのは向こうだから私は買ったのだ。
プラス私的な恨みもあるから1発殴ってスッキリした。
しかし、この頃のジャンは純粋な目をしている。
孤児院を出て貴族の娘として学校に通うようになりそこで騎士見習いとなったジャンと再会した。
再会した時は最初誰だかわからなかったぐらい成長していた。
背も高くなって顔も凛々しくなっていた。
でも、目だけは変わらなかった。
純粋に私との再会を喜んでいた。
しかし、私はそんなジャンを拒絶してしまった。
貴族の娘として生活している私にとって孤児院出身というのはどうしても封印したい過去だった。
だから、冷たくしてしまった。
・・・・・・それが原因か。
マトモに孤児だった事と向き合わなかった、かつての友達を否定してしまったから、私は処刑されたんだ。
「どうしたんだよ、急に黙って・・・・・・。」
「えっ!?あ、うぅん、なんでもないの。」
慌てて頭を横に降った。
私は本を何冊か借りて図書室を出ていった。
自室に戻った私は溜め息を吐いた。
「ホント、私バカだなぁ・・・・・・。」
改めて、自分がやらかした行為を思い返してみると反省しなきゃいけない事が多い。
鏡で改めて自分の首にある傷跡を見る。
いくら私が魔力を持っているかもしれないからと言って首にこんな傷がある少女を養女にするだろうか?
かなりの物好きじゃない限りはいないだろう。
私はなるべく貴族や王族には関わらない様に生きていこう。
改めてそう決意した。
これが周りも幸せになれる方法だと思うから。