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「理香……」
私は、そっと理香の肌に触れる。
え?これって……
「これって、タバコの跡?」
理香の表情が暗くなる。
「これって、タバコの跡?
誰にやられたの?
もしかして、武君?」
理香は、大きくうなずいた。
今にも泣きそうな顔をしている。
「そいつが、言う事を聞かないからだよ。
これは、しつけだな。
そう、しつけ!」
武くんが、そう言って笑う。
殺してやる……
だけど、今は……!
「理香!
きちんと武君の言う事を聞かなきゃダメでしょ!」
理香の表情が固まる。
ごめんね。
ごめんね。
本当にごめんね。
「理香!
なんとかいいなさい!
武君にごめんなさいは?」
「……」
「理香!」
私は、軽く理香の頬を叩いた。