バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

07

 暗くなる。
 その漆黒なる闇は、私を包み込む。
 私の心が不安でいっぱいになる。
 そして、思わず私は泣いてしまった。

「パパー!ママ―!
 怖いよー」

 パパは、慌てて電気をつけ。
 ママは、私の体を抱っこしてくれた。

「ごめんな……
 怖かったな」

 パパが、そう言って私の頭を撫でてくれる。
 その感触が温かくて心地よかった。
 ママが、タオルで私の涙を拭ってくれた。

「さぁ、理香。
 ケーキを食べようか?」

 私は、大きく頷いた。

「じゃ、ケーキを切るぞ」

 パパが、そう言って大きなケーキを3等分してくれた。
 パパもママも私も同じ大きさ。
 さっきまで泣いていたことなんて忘れていたかのように、私は笑顔でケーキを頬張った。
 ケーキが美味しい。
 それだけで、私は幸せになった。

しおり