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第十九話_一週間

翌日。
例の騒動の4人はフィレイに謝りに来た。
「もう気にしてないよ」
その一言で場を収め、それ以降互いに接触しない条件で別れた。

その4人は学校でも結構な優秀生徒だったらしく、いじめ現場で使用していた隠蔽魔法と索敵魔法を破った雅は学校内でかなり注目を浴びていた。
そのため…。

「てい」
「ぐおおおっ!!」
『試合終了、勝者_ミヤビ』
「またミヤビの勝利か」
「はいはい、負け負け。賭けなんてするんじゃなかった…」
毎日、試合を申し込まれてきた。
ここは日本ではなく異世界。そのため、互いの実力を確かめ合うために試合を行う血の気の多い学生が多い。

「(まぁ、当の本人たちは日本でいうスポーツの練習試合の感覚で挑んでるんだろうなぁ)」
雅にとっても、日本にいた頃はいつでも試合ができる環境ではなかったのでとてもありがたいことだが。
実に3日間、朝昼夕と生徒たちの相手をしてきた雅は143勝0敗という、見事なまでの勝利を飾っていた。ちなみに、この学校の生徒数は1200人いるので8分の1の生徒に勝利したことになる。
「じゃー俺帰るわー。じゃなー」

今まで戦ってきた143人、その全員はベスト50位以内に属していない者たちである。
そのため雅は、あまり実力が上がることを実感していなかった。

学校からの帰り道。
「なぁ、フィレイ。俺、ランキング50位以内の人と戦いたいんだけど」
「だめ、それで勝っちゃうと大会の方にほぼ確定で出るかもしれないからね。洞窟、いけなくなるよ」
「あーー、なら仕方ないか」

「それより、魔法研究の方はどのくらい進んだの?」
「えーっと、とりあえず結構使えるかな。元の世界の知識を組み合わせると可能性が無限大なんだよね」
「…へ?それって全部オリジナル?」
「うん。オリジナル」
「はぁ…すごすぎて溜息しか出ないわ」
「すごいだろ。何個か教えてやろうか?」
「いい、私も私なりに頑張ってるから。行き詰ったら教えてね」
「ああ、分かった」

などと、会話をしながら帰路についた。


「ただいまー」
「お帰りなさいませ。お二方。現在の時刻は4時30分となっております。この後のご予定はどうされますか?」
「いつも通りでいいかな」
「畏まりました」
家に帰ると、クレハが出迎えてくれた。

「じゃあ、6時くらいに食堂に行くよ」
「ええ、行ってらっしゃい」
「ああ」

そう言って雅は荷物をクレハに預け、中庭の方へと向かっていく。

「ねぇ、クレハ。私って才能ないのかな?」
「フィレイ様…」


フィレイは成績は10位以内に入るほどの好成績だが、実技の方はどうしても伸びていない。そのため、この数日間で強力な力を手に入れている雅に対して、尊敬とともに僅かな嫉妬の感情も湧いていた。

その質問にクレハはどう答えて良いのかわからず、ただ。立ち尽くしてしまった。

「…そんなことないわね。ただ、私に努力が足りないだけ。ミヤビは私の何倍も練習を積み重ねてきている。それに、このままじゃあの4人みたいになっちゃうわ…」
「フィレイ様、大丈夫です。私達も応援しています。勿論、ミヤビ様もです。ですから、一緒に頑張っていきましょう!」
「ありがとう、クレハ、少し落ち着いたわ」

フィレイは自室に向かって歩き出す。

一刻も早く雅に追いつくため。


「えーっと、とりあえず。まとめてみるか」
雅は今までに開発した魔法を紙に書き出してみることにした。


炎属性

・燃焼魔法*任意の場所に炎を灯す魔法。発動できる距離と威力には限度があり、発動できるか否か、この3つとも精霊との相性で決まる。(大小調節可能)

;爆発魔法
・クロックファイア*任意の場所を爆発させる魔法。距離、威力、発動の条件は上に同じ。
・ソイルファイア*地面から高温度の炎を噴火させる魔法。魔法。距離、威力、発動n(ry


水属性(何故か、氷属性があって水属性がなかったので作ってみた)

・水流魔法*水を発生させ、その流れを操ることで相手の動きを鈍くする魔法。距離、威力、はつd(ry

;水速魔法
・クロックチェンジ*水の矢を音速で飛ばすことによって威力を高める魔法。魔力消費量がかなり多い。距離、威力、はt(ry

炎、水&風属性魔法。

ザイス*空気の中に水を蒸発させた水素を集め凝縮(水はこの逆で電属性の魔法で生み出している)。その後、その気体を移動させて燃焼魔法で爆発を起こさせる魔法。(やりすぎると、世界が終わる)爆発させた後、風属性魔法で一方方向に向けて発動させることも可能。距離、威力、(ry


氷属性

・地点氷結魔法*任意の場所を氷結させる魔法。距離、い(ry

;氷結魔法
・グラウンドスノウ*地面を凍らせる魔法。距離、(ry
・クイックスノウ*クイックチェンジとほぼ同じ。ただ水が氷になっただけ。


「…飽きた…。筋トレするか」
もともと座学、もとい文字を書く作業が嫌いだった雅はすぐに飽きてしまい、筋トレを始める。
暫くすると、夕飯の匂いが漂ってくる。

そして、その中庭に一つの乾いた音が響く。

「誰だ!?」
素早くその音の方向に意識を向けて、構えをとる。
「(気配がしなかった…、かなりの手練れ…)」
警戒を強める。
しかし、そこから出てきたのは。

「うぅ…お腹…減った」
一人の少女だった。

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