381章 応募者殺到?
「ホノカさんをお手伝いとして、採用したんですね」
シノブの言葉に、小さく頷いた。
「うん。いつまでになるかはわからないけど、頑張ってもらおうと思っている」
いつまで続けるかは、ホノカの意思に任せるつもりだ。
「ミサキさんが家政婦の求人票を出したら、1000倍以上の倍率がありそうですね。10000倍を超えていたかもしれません」
1000倍の求人ですら現実離れしている。10000倍の求人倍率は、雲の上のレベルといえる。
「シノブちゃん、さすがに大袈裟すぎない?」
「時給60ペソ以上をもらえるうえに、ミサキさんと会えるんですよ。私もフリーだったら、絶対に応募していました。プロフィールすら確認されずに、落とされてしまいそうですけど・・・・・・」
10000枚の応募書類を送られたとする。99パーセントに当たる9900枚は、直感ではじいてしまいそうだ。一人の人間が読もうと思える、書類の数は100枚で限界。人によっては、10枚でキャパシティーオーバーになりうる。
採用するためには、面接をする必要がある。特殊な体をしているため、人と話している猶予はない。信頼できる人に声をかけて、働いてもらうのが現実的だ。
フユコ、マイ、ユタカ、シラセは話を聞いていたのか、お手伝いをやりたいといってきた。
「フユコもお手伝いをしたいのだ。ミサキちゃんの役に立ちたいのだ」
「マイもやってみたいよ」
「ユタカもやりたい」
「シラセもやってみたい」
シノブは4人にストップをかける。
「ミサキさんが困惑しています。無理をいわないようにしてください」
フユコ、マイ、ユタカ、シラセは引き下がらなかった。
「フユコも働きたいのだ」
「私も生活のプラスにしたい」
「ユタカ、頑張る」
「シラセが一番だよ」
ミサキは事情を説明する。
「ホノカちゃんとは永続契約を結んでいる。彼女が辞めるといわない限りは、新しい人を雇うつもりはない」
ホノカの退職後であっても、人を雇う確率はかなり低い。お手伝いとして採用したのは、人柄に惚れたからである。天性レベルの癒し能力を、コピーするのは第三者には厳しい。人間の生ま
れ持ったものは、いくつになっても残り続ける。