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そして、今に至る

そうして五年後、あの赤子は五歳になった。


薬草や治療の知識のほかに、師匠から薬草採取の際の自衛の手段も習っていた俺は、拙いながらも子どもに剣と弓を教えていた。

また、生活魔法程度だったが、魔法も使えたので、それも教えていたが・・・。

知らぬ間に子どもは攻撃魔法を覚え、どんどん強くなっていった。



・・・うちの子、天才か?


なんて親ばかなことを考えていた時期が俺にもありました。


日に日に大きくなる魔物の魔物の死骸の山。

それに比例して、増えていく荷物。


「早急にっ、大型のマジック、ポーチがほしい・・・!」

魔石や討伐部位のあまりの重さに、一歩歩くごとにリュックの紐が肩に食い込み、体力を奪っていく。

街に行くたびに換金して、より容量の大きいマジックポーチを新しく買うが、それでも足りない。

「マジックポーチよりも、マジックボックスを覚えた方がいいのかな・・・」

ちらりと隣にいる子供に目を向けた。

この子にも、いくつかマジックポーチを持たせてはいる。

救急用と、はぐれたとき用、万が一の戦闘用に薬や道具をこれでもかと詰め込んでいる。足と腰と腕につけているので、邪魔になることはないだろう。
いくらこの子が強いからと言って、一人で大丈夫なわけないだろうし、俺も常に一緒にいられるわけではない。

このくらいの備えは必要だろう。

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