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第6話 美奈代の将来

「そっか真由美ちゃんは巫女さんになるのね!」
「晴華ちゃんは大グループに内定が確約されてるみたいなもんだし!」
「それで私は?」
「私はどうしたらいいの?」
美奈代は今まで将来の事など考えたことがなかった。
それどころではなかったからだ。
しかしようやく将来の事が考えられるようになった。
だが、美奈代に答えは出せない。
将来の事とは前提条件として生きる事がある。
生き続ける決意はしたものの。
生き続けた先の将来については美奈代には答えを出すことは出来なかった。

「やっぱり二人に相談にのってもらおう!」
自分の将来の事を他人に相談し、そのうえ決めてもらおうなんて。
なんて主体性の無い事だろう。
「二人は怒るかもしれないけど!」
「きっと解かってくれるはず!」
自問自答しても答えが出ない中。
美奈代は他人に委ねることを決意する。
その時。
美奈代の耳に聞きなれた声が聞こえた。
「医者になるのはどうかな?」

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