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228 王都のギルドに行こう!

「戦争を起こしてまで手に入れようとは思わないかもしれませんが……他の国も、赤の大陸から買い付けるのではありませんこと?ガノは大陸有数の鉱山を持っていますわ。宝石を積まれれば、赤の大陸も……」
 と、ご婦人が首を傾げる。
 赤の大陸が必要としている物は、宝石じゃない。食糧だ。シャーグは、自分の富のために動いていない。国民のために動く王様だった。
 それに……。
「赤の大陸まで船を出して貿易するのは大変ですわよ?簡単に手を出せることではありませんわ」
 リリアンヌ様がふふふと笑う。
「そうですわね。簡単ではないからこそ、リリアンヌ様は国を動かそうとしているのですわよね?」
 リリアンヌ様がふふふとまた笑った。
「あら、そういうことにしておきましょうか」
 転移魔法や通信鏡のことは内緒?
 一部の人にしかまだ言っていないっていうことだよね?
「まぁ、皆さまがおっしゃる通り、他の国々も欲しがるでしょう。ですから、私たちが楽しむ以外にも外交手段として使うことができますわ。ガノの宝石1つとカカオ豆1つを交換する日が来るかもしれません。国が潤います。……と、女があれこれ政治に口を出すべきではありませんわよね。ふふふ。私たちがすべきことは、皆さまお分かりですわよね?」
 王妃様が綺麗な笑顔を顔に浮かべる。
 ご婦人たちもにこりとほほ笑んだ。
「ええ、もちろんですわ」
 ふふふ、ふふふと、皆様が黒い笑顔を浮かべる中、シャルム様とローファスさんが青い顔をして冷や汗を浮かべ始めた。
 えっと、貴族のご婦人たち……政治に口を出さずに、何をするんだろう……?あ、いえ、知りたくはありません。ええ。きっと、知らないほうがいい話に違いありません。

「お疲れ様でした!」
 パーティーはおよそ4時間続き、初めのうちは緊張していた庶民の皆さんも、思う存分チョコレートを堪能して笑顔で帰っていきました。
 あ、お土産にチョコレートを渡すのも忘れていません。
 庶民の方々には、チョコをつけたラスク。チョコが味わえて、ボリュームもあるものです。知り合いへの布教に使うのか、家で待つ男性陣に渡すのか、それとも自分の楽しみにするのか、使い道は自由です。
 あ、さっそく好きな人に告白するために使おうかなと言っている子もいました。頑張れ!
 貴族の方々には、粒チョコ。アーモンドチョコ。と、チョコレート比率の多いもの。それから、王妃様と東屋に集まったご婦人方には、チョコレートの他にシャーベットのレシピもお渡ししました。
 あ、それから、ついでにシャーベットは果汁からも作れることも教えましたが、やはり氷魔法が使える人に心当たりがないところがネックなようです。
 えええ、そんなに氷魔法って人気ないの?氷魔法が使える人を講師として迎えて、レベル10を超えた者たちに受講させる機会を設ける?
 冒険者ギルドでも講習科目に氷魔法を入れるようにする?
 え?そんなに……なんか、大掛かりな……動きが?
 あ、でも氷魔法が使える人がどんどん増えれば……。
「冷蔵庫の夢がかなうかも!」
 ふふふ。そういえば、赤の大陸からは海産物も輸入するようになるんだよね?お魚に氷は必須だよー。
 鮮度を保たないとね!
 パーティーが終わると、私とカーツ君とキリカちゃんとブライス君は屋敷の客間の一室に引っ込んだ。
 リリアンヌ様とシャルム様とローファスさんは最後まで貴族の皆様と話をしたり何やら悪だくみをしたりと……こほん。悪だくみではないですよね。たぶん……。
「お腹すいたな。さすがにチョコレートばっかり食べると飽きるし」
 カーツ君がソファにどっしりと腰を下ろして上を向く。
「キリカもお腹すいたのよ。チョコレートは美味しかったけれど、キリカ、ユーリお姉ちゃんの作ったご飯が食べたいのよ」
「そうですね。僕もユーリさんの作った料理が恋しくなりました」
 あれ?
「そういえば、ここに来てからは、料理人が作った料理を食べていたから料理はしてなかったね。チョコレートのお菓子以外」
 とはいえ、本職の料理人さんがいるのに、台所借りて自分たちの料理を作るというのも失礼かな。
「キリカ、あれ食べたいのよ!唐揚げ!」
「あ、俺も!唐揚げ食いたい!」
「ふふ、美味しいですからね。ユーリさんの作る唐揚げ」
 唐揚げか。
 揚げ物なら、ダンジョンの入り口で揚げた。台所がなくてもできる。
 火の魔法石と鍋。それからハズレMPポーション。えっと、今まではオリーブオイルのハズレMPポーションだったけれど、他の使ってみようか。菜種油……ふつうのサラダオイルっぽいのもあったはずだし。
「鶏肉……何かの鳥の肉が手にはいるかな?」
「冒険者ギルドに行ってみますか?」
「肉屋じゃなくて?」
 ブライス君がはっとした顔をする。
「あ、すいません。そうですよね。肉屋が先ですよね。ユーリさんは今までクラーケンやコカトリスやバジリスクを調理していたから……うっかり」
 あー。確かに。
 うっかり……。
「えーっと、モンスターって、ダンジョンの中で倒すと肉も残らないんだよね?」
「そうなんですよね。それが普通なんです。……僕としたことが本当にうっかり……」
 と、ブライス君が笑った。

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まいぺぇぇぇーすぅ
で、更新再開中なのよぉぉぉん。

……

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