貴族になんてなりたくない!2
「つまり、私には不思議な力がある、という事ですか?」
「えぇ、そういう事になります。国は赤髪の少年少女を保護対象に指定しています。保護したり養子にした施設や貴族は国から援助金が出るそうです。」
なるほど、そういう事だったのか。
周りが私をチヤホヤしていたのは私が赤髪だったからなのか。
私はてっきり自分に魅力があるから、と勘違いしていた・・・・・・。
何か凹む。
「リリィ、貴女はどうしたいの?」
そうか、今が人生の分岐点なんだ。
だったら答えは決まっている。
「・・・・・・お断り致します。」
ハッキリとNOと言い切った。
シスターはちょっと意外そうな顔をした。
「理由はあるんですか?」
「さっきも言った通り、私に貴族は務まりませんし、貴族の生活に興味はありません。それに国からのお金目当てだったら尚更です。そんな国を繁栄だとか滅亡だとか、そんな大きな力なんて私にはありませんし、そんな事で振り回されたくありません。」
ハッキリと私は自分の意見を言った。
「・・・・・・わかりました。そこまでハッキリと言うのであれば仕方がありません。お断りの返事を出しましょう。」
「・・・・・・ご迷惑かけてすみません。」
「いいえ、貴女は貴女の人生がありますからね。私は貴女の遺志を尊重しますよ。ただ、これから養子の話は出てくると思います。ならば今後は貴女は自分の力で生きていく必要があります。」
「はい、これから見つけていきます。」
私には前の記憶もあるし、不思議な力もこれから上手く使える様になればきっと私一人で生きていける。
私は強く決心した。
今度の人生は調子にのらないで手堅く生きていく!
そう心の中で宣言した。