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「そこに、瞳はいないの?」
「お姉ちゃんは、ずっとお兄ちゃんと一緒にいたでしょ?
だから、お姉ちゃんは、孤児院から出ることが出来ないの」
「……これからは、ずっと3人で一緒にいれるんでしょ?」
「これまでは、お姉ちゃんと一緒にいたでしょ?」
「そうだけど……」
「私、ずっとお姉ちゃんが羨ましかった。
私より先にお兄ちゃんと会っていたし。
私が入院している時も……
私が孤児院のベットの上にいるときも……
お姉ちゃんは、ずっとお兄ちゃんのそばにいることが出来た」
「そうだね……」
「私、知ってるの。
お姉ちゃんがお兄ちゃんのことが好きだってこと。
私がお兄ちゃんのこと好きなこと知っているのに……
お姉ちゃんは、お兄ちゃんとずっと一緒にいれた。
だから、今度は私の番。
今度は、私がお兄ちゃんと一緒にいるの!」
愛が、そう言うと僕の体を強く抱きしめた。
そして、そのまま押し倒された。
気づけば、そこは大きなベットの上だった。
「ピクニックに行くんじゃなかったの?」
なにか、色々滅茶苦茶な世界だ。
僕は、もう帰りたかった。
しかし、そんな僕の気持ちなど無視して言葉を続ける。
「お兄ちゃんの子供作るの」
「何を言っているの?」
「そしたら、お兄ちゃんと私は、ずっと一緒になれるんだー」