バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

138

 冷たい部屋の中。
 僕は、テレビも付けずにリビングにいた。

 僕は、何をした?
 僕は、何が出来た?

 水谷さんは、どうして泣いていたの?

 わかっている。
 でも、想像なんて出来なかったんだ。

 『コイツ、俺が言えば誰とでも寝るんだぜ?』

 『でも、女子の大半は、経験済みだぜ?』
 
 『もう、数十人の寝ているぜ?
  もうガバガバのヤリマンなんだぜ?』

 菊地と、鈴原って人の言った言葉が、頭の中を何度も回転した。

 『どうだ?友達は出来たか?』

 『友達、いなくてもいいです』

 『瞳たちといて、楽しくなかったか?』

 『楽しかったです……
  楽しいけど、失うのが怖いから……』

 水谷さんの言葉の意味が今ならわかる……

しおり