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ふと理香の方を見た。
理香が不安そうに私たちの方を見ている。
「理香……?」
私は、理香の体を抱きしめた。
「なんにも不安な事なんてないから……」
「そうだぞ……
パパは、ママと理香を一生守って見せるからな?」
英雄さんが、理恵の涙を拭く。
それでも、何故か理香はわんわん泣いた。
涙が枯れてしまうのではないかと思うくらい泣いた。
暫く泣いて、泣き疲れて眠った。
英雄さんと私は、理香が眠った後も傍にいた。
理香が、泣きそうな顔で私の顔を見る。
「大丈夫。
パパが、傍にいるから……」
英雄さんが、そう言うと理恵の頭を撫でた。
すると安心したかのように理恵は眠った。
優しく可愛い寝顔で眠った。