バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

40

「理香?
 由香の居る場所教える気になった?」

「……」

 私は、何も答えれない……
 だって、私はもう死んでいるから。
 私は、私の体を見つめている。

 ママが、何かを言っている。
 だけど、私にはわからない。

 武さんが、ケタケタと笑っている。

 何かを言っている。
 でも、私には、わからない。

 私は、ただ。
 自分の体を見つめていた。

 何も出来ない。
 何も出来ない。

 くるしい。
 つらい。

 歪んだ気持ちのまま私は、この生涯を終えた。
 産まれて4回目の夏を迎えようとした頃に……

しおり