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明るい世界が待ってるよ
幸せな未来が待ってるよ。
私はその日、元気な赤ちゃんを産んだ。
3000gの女の子
赤ちゃんは、産まれると同時に元気な声で泣いた。
「おめでとうございます。
元気な女の子ですよ!」
産婦人科の先生が、そう言って笑う。
私は、壊れてしまうんじゃないかと内心ビクビクしながら、その赤ちゃんを抱きしめた。
私が、抱きしめると不思議なことに泣きやんだ。
「これから、3人で暮らそうな!」
夫である、英雄さんが優しく私の頭を撫でる。
再び赤ちゃんは、泣いた。
赤ちゃんの名前は、理香。
深い意味はない。
ただその響きが可愛く。
優しい香りに包まれて……
そしてその優しい香りを人に分けれる優しい子に育ってほしい。
そんな願いを込めて……
英雄さんと2人でいっぱい考えて名付けた。
でも、この時、私は知らなかった。
子供を産むってことは、その子供を幸せにする義務があり……
その義務を果たすことがとても難しいことであることを。